運転の継続とともに一次系機器、配管に腐食生成物が付着堆積し、放射性物質の増加に伴い、環境への放射線量が増加し、運転や修理・検査の際の被ばく線量を増大させる原因となりなす。当社は作業員の被ばくを低減し、安全運転を実現する為の除染作業全般の作業及び作業に必要な装置類の設計・製作を実施しています。
以下の技術を使用した現場作業を実施します。
化学除染 | 化学除染剤によって原子力発電所内の機器・配管などの表面に付着した放射性化学物質を除去します。 |
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物理除染(機械除染) |
ジェット、ブラスト処理、ドライアイスブラスト、ブラシなどの物理的手法により原子力発電設備内の放射性汚染廃棄物を除去、回収します。 |
減容型膜フィルタによる浄化 |
高性能膜ろ過技術により、コンパクトかつ耐久性に優れ、高いろ過性を実現。 ワンタッチカプラの操作で容易に脱着でき、ハウジングが不要です。 使用後は圧縮減容廃棄が可能。 |
原子力発電設備の除染では、対象物に応じて最適な除染作業をご提案します。当社では、化学的・機械的な各種技術を保有しているため、対象物の特徴にあわせて、単独技術や組み合わせでの除染を治具等も用いて実施しており、長年の経験を活かして安全に施工しております。
減容型膜フィルタ外観と圧縮状況
フィルター技術を用いて、用途に応じて水の浄化作業を行います。
1例として、平膜のプリーツ成形により、高ろ過面積、コンパクト、抜群の耐久性と高いろ過性能を達成しました。
フィルターはワンタッチカプラの操作で容易に脱着でき、内圧式ろ過(内→外の流れ)のためハウジングが不要で、使用後のフィルターは圧縮減容して廃棄することができます。
また、吸引装置を用いた異物回収作業を実施しています。
試験運転の前に、原子炉一次系統をはじめ、全ての系統の洗浄を行います。建設時に混入した砂、塵埃などルーズな異物や錆・防錆剤を水流によって系統外へ排出します。
フラッシング水の節減
異物を捕獲する目的で精密ろ過フィルターを組み込んだ循環ループでの水フラッシングは、使用水の大幅な節減が可能です。
洗浄後の系統保管作業まで行います
洗浄後の清浄度を維持するために設備の試験運転時を含め、燃料装荷前まで保管を実施します。
保管方法は、防錆剤を添加する満水保管、乾燥空気でパージする乾燥保管などがあります。
大型ブラスト装置の設計製作、運転保守
除染対象物を専用治具に固定し、加工室内でブラスト除染を行います。この装置の設計製作から除染対象物の運搬・保管から運転作業およびメンテナンスまでトータルで実施します。
油処理装置の設計製作、運転保守
ダイヤモンド電極による電気化学的酸化により油を始めとするすべての有機物が、無害な水と二酸化炭素という無機物に分解可能です。この装置の設計・製作から運転作業およびメンテナンスまでトータルで実施します。